← 一覧に戻る

デザインクローナー — 「あのサイトみたいなの作って」を実現するAIスキル

2026年3月9日 21:16 更新

一言でいうと

イケてるサイトを見せるだけで、そのデザインをそっくり再現してくれるAIの「技」

なぜこれが必要なのか

WebサイトやLP(ランディングページ。商品やサービスの紹介用の1枚ペラのページ)を作るとき、一番大変なのはデザイン。「かっこいいサイトにしたいけど、何をどうすればいいかわからない」——これはデザイナーを雇えない個人開発者にとっての永遠の課題よ。

世の中には素晴らしいデザインのサイトがたくさんある。LinearやStripeのような洗練されたサイトを見て「こんな雰囲気のサイトが欲しい!」と思ったことはあるはず。

でも「参考にしたい」と思ってから「実際にコードで再現する」までには巨大な壁がある。色のコード(#3ea8ff のような16進数の色指定)を1つ1つ調べて、フォント(文字の書体)を特定して、余白を合わせて...この作業を手でやると膨大な時間がかかる。しかもデザインの知識がないと「なんか違う」が延々と続く。

デザインクローナーは、この壁をAIが自動で壊してくれるスキル(Claude Codeに追加できる専用の能力パック)よ。これがなければ、デザインセンスのない人はゼロからデザインを考えるか、高いお金を払ってデザイナーに頼むしかなかった。

何をしたのか

Claude Code(AIプログラミングアシスタント)に「デザインクローナー」という新しいスキルを開発・追加した。参考サイトのURLやスクリーンショット(画面の写真)を渡すだけで、そのデザインを分析して新しいサイトをゼロからコードで作ってくれるようになったわ。

たとえばこんな使い方

「Linearみたいなダークでミニマルなサイト作って」

→ AIがLinearのサイトを自動で訪問して色やフォントを分析し、同じ雰囲気のサイトをゼロからコードで生成してくれる

「このスクショと同じデザインにして」

→ スクリーンショットを貼るだけで、画面の見た目を読み取ってコードに変換してくれる

「かっこいいLPの参考がほしいんだけど」

→ 世界中のイケてるサイトを集めたギャラリーサイト(デザイン見本市のようなサイト)を用途別に案内してくれる

5つのフェーズで動く仕組み

デザインクローナーは、プロのデザイナーがやる作業を5段階に分解して自動化してるの。料理でいうと「お手本の料理を食べる→味の成分を分析する→自分でゼロから調理する→味見で比較する」みたいな流れ。ただし実際には、AIがサイトの色・フォント・レイアウト(配置)を数値として正確に特定し、それをコードに変換する処理よ。

1 リファレンス選定 — お手本を見つける
参考にしたいサイトを選ぶフェーズ。URLやスクショが既にあればこのステップはスキップ。なければギャラリーサイト(世界中のイケてるサイトをまとめたカタログサイト)を用途別に案内してくれる。たとえばSaaS(月額制ウェブサービス)のLPなら landings.dev がおすすめ、みたいに。
2 デザインキャプチャ — お手本の情報を収集
参考サイトの情報を2つの方法で同時に集める。①スクリーンショット(見た目の情報)と、②HTML/CSS(サイトの骨組みと装飾を書いた設計図データ)。料理に例えると、①が完成写真を見ること、②がレシピを読むこと。両方合わせて初めて正確に再現できるの。
3 デザイントークン抽出 — 見た目のDNAを取り出す
ここが最重要ステップ。サイトの「見た目のDNA」ともいえるデザイントークン(色・フォント・余白などの具体的な数値のこと)を正確に特定する。たとえば「背景色は #08090a という真っ黒に近い色」「見出しのフォントはInterという書体の太さ600」「セクション間の余白は80ピクセル」のように。ここが雑だと「なんか微妙に違う」になってしまう。
4 コンポーネント分解 → 実装 — パーツごとに組み立てる
サイトを「ヘッダー(上部のナビゲーション)」「ヒーロー(最初に目に入る大きなエリア)」「特徴紹介」「料金表」「フッター(ページ下部)」などのパーツ(コンポーネント)に分けて、1つずつコードで再現していく。一気に全部作ろうとしないのがコツ。プラモデルを部品単位で組み立てるイメージね。
5 品質チェック — お手本と見比べる
完成したサイトを参考サイトと横に並べて、色・フォント・余白が一致しているか目視で確認。スマホ表示でも崩れていないかチェックする。差異があればその場で修正するわ。

従来のやり方との違い

Before(デザインクローナーなし)

  • 参考サイトの色を1つずつスポイトで取得
  • フォント名をDevToolsで調べる
  • 余白をピクセル単位で計測
  • デザイン再現に丸1日以上
  • レスポンシブ対応は別途手作業

After(デザインクローナーあり)

  • AIが自動で色・フォント・余白を分析
  • デザイントークンとして自動整理
  • コンポーネント単位で自動実装
  • 数十分で完成
  • スマホ対応も最初から組み込み

法的に大丈夫なの?

これ、大事なポイント。デザインクローナーは「丸パクリ」じゃなくて「デザインのエッセンスを参考にする」ためのツール。ちゃんと法的な線引きがスキルに組み込まれてるの。

OK(合法) NG(やっちゃダメ)
レイアウトの構成パターン(ナビの配置やセクションの並び順) ロゴ・アイコン・イラスト・写真のコピー
配色の傾向・カラーパレットのトーン テキスト(文章)のコピー
余白のバランス・グリッド構造 ソースコード(プログラム)のコピペ
複数サイトの要素ミックス(最も安全) 特定ブランドの完全模倣

つまり「間取りや配色を参考にして新しい家を建てる」のはOKだけど、「看板ごと持ってくる」のはNG。デザインクローナーは写真やテキストは自動的にプレースホルダー(仮のダミー)に置き換えるし、ロゴもコピーしないように設計されてるわ。さらに「A社のヘッダー + B社のカード + C社のフッター」のように複数サイトのミックスを推奨してるから、1つのサイトの完全模倣にならない。

実際に使ってみた

メシテロ(ドSなAIが食事を命令する食事管理アプリ)のLP作成で実戦投入済み。ギャラリーサイトから参考デザインを選ぶところからスタートして、ダーク系のイケてるLPを生成した。

また、スキルの精度を測るために、Resend(メール送信サービス)のサイトを題材にデザイントークン抽出のベンチマークテスト(性能評価)も実施。有料フォント(Domaine Display, ABC Favorit)の検出や、Radix UIというUIライブラリ(画面パーツの部品集)のカラースケール特定にも成功してるわ。

ポイント

スキルって何? — Claude Code に追加できる「専門能力パック」のこと。料理でいうと「イタリアン」「中華」のような得意分野を増やせる仕組み。デザインクローナーは「既存サイトのデザインを参考にして再実装する」という専門能力を追加するスキルよ。

なぜ「コピー」じゃなくて「クローン」なの? — 元のソースコード(プログラムの中身)はまったく使わないから。デザイントークンというDNA(色・フォント・余白の数値)だけを読み取って、コードはゼロから新しく書く。生物のクローンと同じ発想ね。DNA情報だけ取り出して、体はゼロから作る。

見送ったこと — 現時点ではアニメーション(動きの演出)の自動クローンは対象外にしてるわ。色やフォントと違って、アニメーションは「何を動かすか」より「なぜ動かすか」の設計意図が重要で、単純コピーすると逆に安っぽくなることが多いから。

Q&A — フィードバックへの回答

Q. CSSのソースコードを一括ダウンロードして手元に置いてから作業するの? それとも都度見にいくの?

A. 「一括ダウンロード」に近いけど、全部じゃなくて厳選して取ってくる方式よ。具体的にはWebFetch(URLを指定してWebページの中身を取得する機能)を使って、まずトップページのHTMLを1回取得する。このHTMLの中に「このサイトはどのCSSファイルを読み込んでいるか」のリスト(<link rel="stylesheet">)が書いてあるから、その中からサイト固有のメインCSSファイルを2〜3本だけ選んで追加で取得する。合計で最大5回までというコスト制限が設けられてるの。Tailwind CDNやRadix UIみたいな汎用フレームワーク(どのサイトでも共通で使われる部品集)のCSSはわざわざ取得しない——中身が既知だから。つまり「全ソースコードをまるごとダウンロード」ではなく、「必要な設計図だけピンポイントで取ってくる」イメージね。Playwright(ブラウザを自動操作するツール)はスクリーンショット撮影にだけ使っていて、CSS取得には使わないわ。

Q. スクショを機械的に比較して、完全に一致するまでエージェントがループし続ける仕組みなの?

A. いいえ、自動ピクセル比較ループではない。Phase 5(品質チェック)では、AIが参考サイトと完成サイトを「視覚的に」見比べて差異を判断する方式よ。AIは画像を「見る」ことができるから(マルチモーダル=テキストも画像も理解できるAI)、「ここの色が微妙に違う」「余白が狭い」みたいなことを判断できる。ただし、Excelみたいにピクセル単位で重ねて完全一致を自動チェックし続けるわけじゃない。あくまで「目視レベルの確認」を1回やって、明らかな差異があれば修正する、という流れ。完全一致を追求するとキリがないし、そもそもデザインクローナーの目的は「100%コピー」じゃなくて「エッセンスの再現」だから、ある程度のところで品質OKとするのよ。

📝 質問モード — テキストを選択してね
✓ 質問を送信しました